2012/12/13

「あなたにここにいて欲しい」(1984)新井素子

「あなたにここにいて欲しい」(1984)を読了。

少なくとも10年以上ぶりの再読だな。
昔は何度も何度も読み返していたものだが。


その久々の再会でまず思ったのはこの作品の構成の特殊なところに改めて気づいたことかな。

物語が始まってから数回の場面展開を経てクライマックスが始まる。

この時点で話全体の1/3いくかいかないかのところ。

それからひたすらキャラクターたちの回想や独白。
そして状況が進展して後は後日談。

けして短いわけでもないのにこの構成で、しかも飽きさせない。

これぞ新井素子の絶頂期の真骨頂。
そしてある意味集大成。
以降の作品のうちの何割かはこの作品の変形だなんて暴言はいても良いくらい。

それほどまでに愛おしい。

当時はイメージアルバム的なものも買ったなあとかいろいろ思い出のある作品の一つだが、久々に、これを若さの勢いだからこその作品でもあることが判るくらいの年齢になったのだなと改めて思った次第。

2012/12/09

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「ココロコネクトミチランダム」(2011)庵田定夏

「ココロコネクト ミチランダム」(2011)を読了。

ココロコネクトシリーズの4作め。テレビアニメは3作めまでがテレビ放映され、このミチランダムは今のところイベント上映の後、パッケージのみとなるのかな?


で、そのアニメのテレビ放映最終回でも、原作の3巻目のラストでも意味ありげな形で終わった続きとなっています。

で、まあ読み終えて最初に思ったのが「ここまでちゃんとテレビ放映でやってればまた違ったかもしれないなあということ。

それは何故かと言えば5人5様に強くなった事を自覚できたところまで描けていることと、特に2人ほど壊れているのをある意味堪能できるというところか。

いや、特には一人か。(笑)
単なるでれキャラに成り下がった稲葉ん。(笑)


それはさておき今回の題材はまた面白かったな。

人の考えの断片が何の脈略もなく流れ込んでくる「感情伝導」

言ってみれば前後がまったく判らないまま目の前にいきなり突き出される呟きだ。

ある意味何とタイムリーな。

そういった聞きたくもない、いや厳密に言えばもしかしたらとても重要な事と錯覚してしまうということをいい加減皆気づき始めている時期(本書は2011年2月初版)にある意味それを話の上のトリックとして使ってしまっているところにとてもうまさを感じる。

正直そちらに気を取られすぎていてもっとシンプルで簡単な事が目の前にぶら下がっていることになかなか気づかなかった。


そりゃそうだよ。こんな状況の連続なんかやってられない。
怖くも逃げ出したくもなるさ。


そうやって劇中キャラクターも読者も見事に欺いた上で彼ら彼女たちが取った行動が…まあある意味慣れきったこの状況に対し初心にかえるというところにまたキレイさを感じた。

やはり視野狭窄したこの年代の話というのは面白いな。


さてこれ以降はすべてデレばんなんだよなあ。(笑)

2012/12/02

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「AURA〜魔竜院光牙最後の闘い〜」(2008)田中ロミオ

「AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜」(2008)を読了。

「人類は衰退しました」で興味を持った田中ロミオの作品として、さらには映画化もされるということで読んでみた。

物語冒頭の主人公とヒロインの関係が「中二病でも恋がしたい!」に近いというのも気になった。




さて、すげえ!これこそラノベ、学園ラブコメだぜって終わり方を見せてもらえるとは思わなかったよ。

導入、やけに詳細な説明があるなと思ったものの気にするなと書いてあったから単に設定好きなのかなと思いきや、最後にそれを生かしやがった。

そして、佐藤良子。「中二病…」の六花みたいに決してへたれることなく最後まで任務を遂行しようとする様は見事。そんな良子を途中へたれつつもフォローし続ける一郎もまた良いキャラクターだったな。

このふたりでひっかき回しまくって最後あそこまで持っていったのは良かったな。


そうかあ、これを劇場アニメ化するのか。
面白そうだな

2012/12/01

「ココロコネクトクリップタイム」(2011)庵田定夏

「ココロコネクト クリップタイム」(2011)を読了。

ココロコネクトシリーズ初の短編集。

ヒトランダム本編中でも語られた文研部の文化祭エピソード「スクープ写真の正しい使い方」。

そのヒトランダム直後のエピソード「桐山唯の初体験」。

続いてがキズランダム直後のエピソード「稲葉姫子の孤軍奮闘」。

そして最後がミチランダム後のエピソードである「ペンタゴン++」。


最初は本編でもよくある太一主観の話であるものの、2本目3本目はタイトルにある通り桐山唯と稲葉姫子にほぼ絞ったエピソード。
全体としてのために動かされることはあっても一人だけを掘り下げることは今まであまりなかったと思うんだよな。
そういう意味でこのシリーズとしては新鮮。
ぎこちなさも残る。

けど、本編と違って現象が起こらないこういうエピソードもこのシリーズとしては良いんじゃないかと思う。


なあんて思いながら最後のエピソードで2年生になり後輩になるかもしれないふたりの話の最後で次の現象が起こりそうな空気が漂ってきてエンド。


これってある意味〈ふうせんかずら〉が読者と同じようにこれらの話を眺めていたとも解釈できる導入なんだよなあ。
ある意味うまいな。


まあミチランダムを読む前にフライングして読んでしまったのでその後の破壊力溢れるデレばんを期待しながらミチランダムは読めそうだ。

あそこまでデレるか?(笑)

『007/スカイフォール」"SKYFALL"(2012)

『007/スカイフォール』を観ました。
(2012/12/01 at ユナイテッドシネマ豊洲スクリーン10)


これでもう3作めなんだな。
すっかり自分のカラーを持ったポンドも板に付いてきたダニエル・クレイグは今回も上半身裸度やら椅子に縛られてやら銃創やらそのほか傷だらけやらでした。


さて、これからは本格的にネタバレ



















ええと、ある人物が名乗った時点でいろいろ判ってしまいました。

その人の名はマロリー。まあメッサヴィーならより判りやすかったんだけれどさすがにそこまではやらなかったか。
そして、彼の秘書といえば…最後にやはり名乗りましたね。

…と実は誤読してしまいました。
昔ポンドのモデルのひとりに登山家のジョージ・マロリーが入っていたような気がしたんだが気のせいでした。
Mの着く名が出てきた時点で何か勘違いしたか?〉私(笑)
結果は当ててしまったのでなんと言っていいのやらだけれど。


さて、そんなバカな話は置いといても、また過去作品への愛が詰まった作品でした。

とても判りやすいアストンマーチン、ギアシャフトのヘッドは予想通りだし、やはりそのボタンはあれなのね。
ちゃんとフロントのマシンガン使ってくれたし、けどさすがにリアウィンドウの鉄板はなかったか、とか。

人肉大好きそうな動物が庭に放たれているとそうなるよね、とか、やたら自分語りが好きだったりとか(誰が?)、臨時作戦本部ってそうだよね、とかQ課が出てくるときはたいていハンドガンが最初だよねとか(けどブースロイド少佐ではなかった)、香港マカオ方面で象徴的な1度目の死からの蘇りなシーンがあったりとか、カジノは必須だしマーケットも必須だよね。
電車はやはり屋根の上の殴り合いでトンネルありだし地下鉄は歩いてれば電車来るし情婦のボートに潜入は基本、狙撃のシーンはその手順をしっかり見せるし銃撃戦の弾切れで銃捨てて死体から銃奪うのも基本。
ガラスは派手に割れるしフロントガラスは銃弾受けたら曇って前が見えないから銃床で割る。
地下鉄には誰も知らない道があるし凍った湖の上を歩いてたら落ちるよね。
エージェントとしての適性試験は不合格なのもデフォだ。療養所行きにならなかっただけありがたいと思わないと。
そして、かつてのエージェントはいつしか敵になる。



うん、やっぱり自分に番が廻ってきたら全部やりたいことばかり。


そして主題歌はジェームズポンドのテーマをうまく混ぜたもので個人的にはサンダーボールを思い出す。


さあて、そんなディテールを置いて作品そのものの話になると、影響受けてるなと思われるのはやはり『ダークナイト』か。

故に本国やアメリカではヒットしても日本ではヒットしないんだろうな。



けど好きだ。
愛してる。



残念だったのは久々の実写映画でやはりマナー悪い遭遇率が高かったこと。最近は訓練された子ばかりが多かったから、映画観る気なくてスマホずっといじっている右隣と「あ、戸田奈津子さんだ」とか独り言の多い左隣に挟まれてしまった。
なっちにさんづけしてるのは初めて聞いたよ。
意味の分からない訳は健在でした。〉なっち

2012/11/29

「ふたりの距離の概算」(2010)米田穂信

「ふたりの距離の概算」(2010)を読了。

前作までが「ああ、これがやりたくてテレビアニメにしたんだ」と思えたこのシリーズ。
ならば本作は?という問いを思いつくまもなく「ああ、これはひとつの映画として観てみたい。」と素直に思った。
その形態はアニメだろうが実写だろうが構わない。

もしこれがそんな感じで映画になったのを観た人が「今まで何があったんだろう」と思ったときに原作読むも良しアニメ観るのも良しなんて感じがとても幸せだなあと思えるそんな作品。


タイトルからして考える二人の距離。
里志と摩耶花の関係はこの作品でようやく摩耶花の願いが叶ったことを知る。
そして奉太郎とえるは?というと大日向曰わく、の通りなのだろうな。