2007/11/11

『ALWAYS 続・三丁目の夕日』

オープン3日めのTOHOシネマズ西新井に『ALWAYS 続・三丁目の夕日』を
観に行きました。(2007/11/11 at TOHOシネマズ西新井 スクリーン5)


しかし11/2に羽生、11/8に春日部、11/9にこの西新井と、東武伊勢崎線
沿線に立て続けにシネコンがオープン…という話は長くなるのでおいといて。


私が、今回この作品を観るためにここを選んだのは、言うまでもなく三丁目の
残滓が残っているところだと思ったから。
実は、私が一番印象に残っている映画館、もう一度行ってみたい映画館という
のが他でもない同じ足立区にあった千住名画座。
今だから白状しますが授業さぼって観に行きました。(笑)
『セーラー服と機関銃』と『翔んだカップル』の二本立てでちょうど夕飯の
買い物にというのはもうちょっと早い時間帯だったかな。商店街の中にある
その映画館には、子供連れてる母親とかいかにも近所の人たちという感じの
人たちが来ていて、ああ、この映画館は生活の一部なんだなと強く感じさせ
るものがありました。
上映中に子供が走り廻ってそれを親が捕まえようとしている様も全然気に
ならない。映画館にいる事の至福を感じられたひとときでした。

その思い出があるからこそ今回足を運んだTOHOシネマズ西新井
実際に行ってみて、広い空の下を通り、下町な家族連れに囲まれての鑑賞は
とても心地よいものでした。
ホント、笑いの起こり方まで映画の中のようで何か嬉しくなってしまった。
そんな、幸せな出会いをする事が出来た映画の感想です。



さて、ここからはネタバレに入るので改行します。

























まぁそうやって気持ちが快く入れたなぁなどと思いつつ東宝スコープから
始まる本編。
しかし始まってすぐに「え、もしかして…。」

…ホント「嘘だろ!」と思いました。
もうそれからは号泣状態。山崎さん、あんた本当に凄いよ! 良くやった!
本当に観たかったものを見せてもらいました。それもおもいもかけず。
そして、やはりあれはあそこにしか存在しちゃいけないんだなということを
強く思わされました。


まぁそんなオープニングなんぞを見せられた日には、もう後がどんなだろう
と文句は無い。
相変わらずの特にCG多用な邦画における映画館とミスマッチな画質にはちょっ
と気がそがれる事が無かった事は無い。
少々話の無理なところもあった。
けれど、それこそもうひとつの(続編ならではの)反則技にも心地よく泣か
されたし、ラストのそう来たかと思ったら、さらにがあってまた泣かされま
した。

いや本当に心地よい時間を堪能させていただきました。
それこそ確信犯かと思えるほどのデジタルエキストラたちの使い方さえも。





…ううむ、曖昧に書くのはやめよう。
ここから本当にネタバレになります。既に聞き及んでいるかもしれませんが
出来ればこれから観ようと思う事がありそうな人はここから先は読まないで
ほしい。初見の楽しみを奪いたくないから。






















東宝スコープのロゴの後の懐かしい音。これで号泣でした。
そうだよな、山崎さんだものな。これやらなくちゃな。
しかも時代設定は昭和三十四年。
この時代を焼け野原にするゴジラ。
それも今の時代の技術を使ったゴジラ。
東京タワーを熱線でなぎ倒すゴジラ。
ゴジラはあの昭和の時代、子供の頃の時代でこそのものだよな。
何かそう思うと、もうそれだけで号泣でした。

そして本編。
話としてはその時代のものばかり。
唯一芥川賞がらみの詐欺の部分と最後には折れてしまう川淵にはちょっと
納得いかない部分もあったのだけれど、前作の夢を引きずっている宅間に
しても、鈴木オートの戦友話やともえの過去の話にしても六子や子供たち
の話にしても、そういうものを見せてもらいたかったのだというものばか
りでした。あの美加ちゃんのキャラクタじたいなんかそのものだもの。
もちろん、反則技たるヒロミの怒濤の前作回想シーンなんて思惑通りの
号泣もの。
そういえば小学生の時に社会科見学で観に行った羽田空港なんてものを思
い出したりもさせられたし、そもそも町のたたずまいがまだ私が子供の頃
に残っていた場所そのものだもの。
そしてラスト。鈴木家が東京タワーに昇りそこから引きの絵でじんわり来
ているところに駄目押しで日本橋で夕日を見るあの三人だなんて卑怯過ぎ
ます。(笑)

そういうものを、あの場所、満員の客席が笑い、泣くところで見せられ
た日には、これを至福の時間と言わずして何をいうのだろうか。


映画が終わり、館内から出るとそこは21世紀の出来立てショッピングモー
ル。
何か未来にでもタイムスリップしたかのような気分でした。
…なんていうオチまで付いてしまったしね。

何か、夢の中で映画を観ていたかのような、そんなひとときでした。